この日は不採用通知が4社連続郵送されてきた。


ふて腐れて昼まで寝ていた。




家の呼び鈴が鳴った。


無視して寝てたが何度も鳴る。


仕方がないので階段を下りてドアを開けたら、


ペンキで汚れた作業着の男が家の門の前に立っていた。




作業着の男「すいません。今度、23丁目の角田さんの


家をペンキで塗ることになりました。」


作業着の男「作業車はこんなクルマです。」


と写真を見せてきた。


その写真をみるために門のところに行き


彼のそばまで行った。




彼と私の距離は70cmくらい



いきなり作業内容を説明してきた。



なんでも光触媒のペンキで塗るので、



半永久的にペンキがはげないとか。



作業着の男「お宅も、家ペンキがはげてきてるね。安くするよ」



彼の安くなる説明はこうだ。



その日は作業車を呼ぶので、



あなたの家も一緒にやれば、



二度手間が省け、作業車のレンタル代や



交通費なども安くできるからだそうだ。


金が無いと言い彼には丁寧にお断りした。



彼が去った後、思い出し笑いをしてしまった。



 この日の約4年ほど前、僕はケーブルテレビの営業マンをしていた。


入社してから1週間ほど研修があり、その中で番組の内容や営業トークを学んだ。


作業着の男の話したことは、研修で習った営業トークに似ている。




ケーブルテレビ会社では


ケーブル男「電線工事の者です。すいませんが玄関先まで


お願いします。」(*それらしくするために作業着を着てます。


ヘルメットをかぶって電線も持っています。作業員を装うために)


家の人が外にでてくる。


ケーブル男「今度○○丁の岩田さんのところで電線工事をします。


作業車がとまってるので通るときに気をつけて


ください。」(*)もちろん、そんな工事などしない。営業が目的


なのだが、作業だと言って相手を安心させるため。



家の人が説明を聞かなければと思い私に近ずく。(お互い


70cmの距離。

心理的に打ち解けやすい

距離又は営業しやすい距離)



電柱を指さしながら電線が家の中に入ってケーブルテレビが見られ


時代劇やアニメ、プロレス番組が見れるようになると。


あなたの家もついで工事をすれば安くなると。


最後は営業につなげる



最初に営業と関係ない工事の告知をして客を安心させてから


営業トークにはいるのだ。この営業トークはいろんな訪問販売


の営業で使われているみたいだが、最初に考えた人は天才だと思う。




 今はオレオレ詐欺が世間をにぎわしているが、


最初にオレオレ詐欺の台本を考えたのはキレモノだと思う。


残念なのは、それを悪用してしまってることだ。


ケーブルテレビに入社した当初、営業トークせあれば稼げるとおもった。 


が、僕が営業をした地域は先輩方が20周ほどその営業トーク

で回ったため、客に知れ渡り、契約を取れるどころか散々客から怒られまくった。



甘くないね世間は


(*)読んで頂きありがとうございます。
批判でも何でもいいんで、コメント頂ければ幸いです。

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